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第237話
テーブルに4人が座り、色々な話をしていた。
「そういえば玲緒の入試は11月だよな」
「うん、9月から面接練習だよ」
そう、もうすぐ俺の受験が始まる。
今は8月の終わりなので9月までは片手で数える程しかない。
面接練習が始まれば今まで遊んでいられた放課後にも練習をすることになるので、放課後に遊べるのはこれが最後かもしれないね、と翔が言っていたのを思い出す。
「高柳はどこを受けるの?」
翔がストローでジュースをジュルジュルと音を立てながら吸い上げ、そう聞いた。
そういえば高柳の進路は聞いたことがなかったな。
翔も夏樹も俺も学部は違うが、同じ大学を受験する。
翔は保育園の先生になりたいと言って教育学部に、夏樹は文学部に入りたいと言っていた。
「△△△大学だよ」
高柳が言った大学は俺たちが受ける大学とほぼレベルの変わらない大学だった。
都外にある大学で、場所はかなり離れることになる。
「へぇ……あ?」
夏樹も翔みたいに感心したように聞いているとテーブルに置いてあった夏樹の携帯が震え始めた。
「………ちょっと出てくっから」
「わかった〜!」
そう言うと夏樹は不思議そうな顔をしながら携帯を耳に当て、店の外に出ていった。
なんの電話だろ……ていうかみんなそれぞれやることあるよな…長居するのは良くないかな。
なんてぼんやり考えているとしばらくして夏樹が嫌そうな顔をして戻ってきた。
「夏樹、どうした?」
俺がそう聞くと夏樹は「別になんでもねえよ」と言ってストローをいじり始めた。
高柳くんと翔は不思議そうに俺を見てくる。
……俺も分かんない、けど。
「そろそろ帰るか?」
「無理、帰れない」
俺が全員にそう聞くと夏樹が即座に返事を返してきた。
帰れないってなんだ??
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