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第238話
「そろそろ来るらしいから」
「なにが!なにがくるの〜!?」
少し疲れたようにそう言う夏樹に対して翔はこれから何が起きるのか楽しみというように興奮しながら聞いた。
「俺が居たらお邪魔になるかな?」
高柳が少し控えめに苦笑いをしてそう夏樹に聞いた。すると夏樹は「邪魔じゃない」と言って高柳もいて良いと頷いた。
「ねえ夏樹、本当に誰が来るの?」
一向に誰が来るかを言おうとしない夏樹に内心不思議に思いながらそう聞くと、
「帰るって言い始めるかもしれないから言わない……それで帰られたらまじで俺は殺されるのかもしれない…」
と、最後の方に何かをボソボソと言っていたけど声が小さすぎて聞き取れなかった。
「まあいいじゃん!結局夏樹は教えてくれないし、玲緒一緒にドリンクバー行こ〜!」
「いいけど翔、飲みきるの早くない?」
そう言われて翔のグラスを見ると中身はもう無くて透明な氷だけが存在していた。
翔にそう促され俺もグラスを片手に立ち上がりドリンクバーが置いてある方へ行った。
「今度は何にしようかな〜〜」
ドリンクバーの前で機嫌良さそうにジュース選びをする翔を横目に俺は特にこだわりもなくコーラのボタンを押した。
「あ、玲緒またコーラだ」
「そうだよ、翔は決まった?」
「俺はね〜メロンソーダにする!」
勢いよくボタンを押すアクションをする翔。
グラスに緑色のメロンソーダが注がれているのを嬉しそうな表情で見つめていた。
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