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第244話
「唯……」
「会いたくて来ちゃった………悪い」
「ううん、嬉しい………!」
久しぶりに感じる唯の温かさ。
優しくて心地よく感じる。
「仕事忙しくない?大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「そっか、良かったぁ」
そう言うと唯が笑いながら「ありがとう」と言って俺の髪の毛を梳くように撫でてくれた。
「帰りは送らせてくれ、…少しでも玲緒といたいから」
「唯が良いならもちろん」
そこで、ふとあることを思い出した。
「唯と一緒にいた人って誰?」
「…あぁ、若だよ」
若…って確か……柊多さん…?
そうだったんだ、顔見れなかったから気が付かなかったけど柊多さんだったんだ。
「え、ほんとに大丈夫なの?」
「……大丈夫あの人は息抜きで来てるようなもんだから」
若頭の柊多さん、ということを再確認するとなんでこんなところにいるんだと不安が出てきた。
そんな俺の心の中を見透かしたように唯は冗談っぽく俺に笑いかけてくれた。
「そうなんだ」
安心して息をふうっと吐ききると、早くトイレを済ませちゃいな、と唯が言った。
「あ、トイレ行きたかったわけじゃなくて…唯かどうか知りたかったの」
「…俺で良かったな」
「うん!」
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