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第245話
「あ、玲緒が戻ってきた」
翔がそういうと玲緒が少し恥ずかしそうに顔を赤らめながら席に戻った。
「唯さんに会った?」
夏樹がそう聞けば、玲緒は小さく頷いた。
「よかったねっ!」
「どうせ一緒に帰るんだろ?」
「うん………多分」
「ユイさんって誰?」
そんな中で1人、会話について行けてなかった人物がいた。それは…高柳。
「玲緒のお世話する人、だよね〜?」
翔が半ば茶化すようににっこりとした笑顔のまま夏樹や玲緒に同意を求めるが、頷いたのは夏樹だけ。
「べ、別にそんなことないだろっ!」
「いやいやお世話されてんだろ」
「されてないっ!!」
ニヤニヤした夏樹と恥ずかしさから怒っているようにも見える玲緒。
「と、まあこんな感じです」
そんな2人を傍から見守るようにしていた翔がそういった。
「………つまり恋人ってこと?」
高柳の中で『お世話する人』と玲緒とユイさんと呼ばれる人を結びつけるとそんな答えが頭にに浮かんできた。
玲緒がそれに答えようとしているようにうーん、と唸っていると…
「玲緒、行くぞ」
唯と柊多が会計を済ませて玲緒たちが座るテーブルまで来ていた。
唯の隣では柊多もニコニコと手を振りながら玲緒に笑いかけていた。
「うん!」
「ここの会計もしておいたから、暗くなる前に気をつけて帰りな」
唯が夏樹にそう言うと、夏樹が頭を下げながらお礼を言った。
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