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第248話

*** あっという間に8月も終わり、カレンダーは9月の半ばを示していた。 あれほど暑苦しかった気候もだんだんと薄れていき、今は少し涼しくて過ごしやすい。 11月に迫った入試のための面接練習や小論文の指導も始まり、学校と塾に通って疲れながら帰る毎日だ。 「今日も疲れたな…」 ベッドに寝転びながら今日指導された小論文を見直す。 元は真っ白だったはずの紙は先生が書き込んだ赤い文字で真っ赤に変わっていた。 その赤い文字を見ているとなんだか悲しくなり、またため息を吐く。 「はぁ…なんで上手く出来ないんだろ」 何もしないでぼーっとしたまま数分が経ち、無意識に携帯に手を伸ばしていた。 タップしてディスプレイに出てきたのは唯の名前。 電話、してみようかな。 「……出ない」 何度コール音がなっても耳に届くのは機械的な音だけで、一向に人が出る気配がしない。 「忙しいのかな………もう寝よ」 また明日にでもかけてみるか。 今日はたまたま忙しかっただけかもしれないし

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