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第249話
「唯に会いたい…」
少し薄寒くなってきた空の下、屋上の外でお昼ご飯を食べていた玲緒はぽつりとそんなことを言った。
「お前が忙しいからしょうがねえだろ」
「玲緒よく頑張ってるもんね〜」
「2人も頑張ってるよ、いつもおつかれさま」
今日は最近大好きなメロンパンをコンビニで買ってきたのでそれを食べることにした。
葉月の分のお弁当はちゃんと作ったが、自分の分まではめんどくさいと思って作らなかった。
葉月の高校生活は上手くいっているようで、校内で友人と一緒にいるところを見かけることがある。
お兄ちゃんとしてはすごく嬉しくて、最初に見た時は「おぉ」と小さく声を漏らしてしまった。
「早く食べないと時間ないよ玲緒〜」
翔にそう言われて時間を確認すると確かに結構時間が過ぎていて慌ててメロンパンを口に押し込んだ。
「今日も唯に電話してみる!」
「出てくれるといいね〜」
腕を突き上げてそう言う、翔は拍手をしながら応援してくれたが夏樹からの反応がないと思えば横になって眠っていた。
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