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第253話

そして3日後、土曜日を迎えた。 「よし、完璧……」 髪の毛を少しだけ整え、服も変じゃないか確認する。 時間は少し早いけどそろそろ家を出ようかな。 持っていくリュックに昨日買った、チョコレートやらグミやらたくさんのお菓子を詰める。あとは財布と携帯…くらいかな? 今日はぽかぽかしていて割と暖かい。 空気をお腹いっぱいに吸い込んで歩き出した。 と、同時に携帯が震えた。 「誰からかなぁ」 携帯をタップし、通話ボタンを押して耳に当てた。 『もしもし、おはよう高柳です』 「あ、高柳くんおはよう〜」 『急に電話してごめんね、明日…なんだけどさ良かったら一緒に映画観に行ってくれない?』 明日、……。 今日もしかしたら唯からお泊まりの許可が出て土日ずっと一緒にいられるかもしれない。 そうなったら予定を入れるのは嫌だな… 『実はチケットもらったんだけど一緒に行く人がいなくて…席を空けるのも申し訳なくてさ』 あぁ、そういう理由か…。 だけどまだ泊まれるか分からないし、高柳くんのお誘いを無下に断ることも出来ない。 「うーん…少し時間もらってもいいかな?夜までには返事するよ」 『全然大丈夫だよ、じゃあまた夜に電話するね』 「うん、ありがとう」 映画か〜そういえば長らく見てなかったな。 最近はどんな映画をやっているのかすら知らない。 どんな映画なんだろう。

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