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第254話
「いらっしゃい、外寒かった?」
「ううん、暖かかったよ」
唯の住んでいるマンションに着き、インターホンを鳴らすとすぐに出てきてくれた。
「連絡出来なくてごめん、ちょっと忙しくなってて…」
「ちゃんと分かってるよ、謝らないで」
リビングに行っていつものソファに座る。
部屋はいつもより少し散らかっているように見えるが、それも仕事が忙しくなっている所為なのだろう。
「ジュース持ってきたから冷蔵庫に入れてもいい?」
「あぁ、いいよ」
許可を取ってからジュースを冷蔵庫に入れるためにキッチンに行った。
ふとキッチンテーブルを見ると、たくさんのお菓子が置いてあった。
チョコレート、クッキー、グミ、飴、スナック菓子にポッキー。
唯がいつも食べないようなパッケージの商品もあった。
疲れてたら糖分が欲しくなるっていうし、相当疲れてたんだ…。
疲れてるはずなのに、せっかくの休日に約束しちゃって悪いことしたかな。
そんなことを考えながら冷蔵庫の扉を閉めてソファまで戻った。
「ふぁ…」
「疲れてたらちょっと寝る?」
「ん、いや大丈夫だよ」
「そっか」
リュックから持ってきたお菓子を取り出して、食べることにした。
うん、甘くて美味しい。
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