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第257話

「仕事、じゃなかったんでしょ…」 「なに言って…」 「………ごめん」 もしかしたら俺が疲れすぎていて勘違いをしているのかもしれない。 ……けど、やっぱり唯の匂いとシャツのサイズは気になるし勘違いで済むことだろうか?と思ってしまう。 唯は何を言っているのか分からないようで不思議そうに玲緒を見つめている。 そこである考えにたどり着いた。 もしかしたらこれも仕事の1つかもしれない。 唯はやりたくないけど、組で唯より立場が上にある人が命令してやっていることかもしれない。 それで誰かを抱いたりしているのだったら嫌だなぁ、と思うけどヤクザの仕事を理解しきっている訳では無いので仕方の無いことかもしれないとどこかで納得している自分がいた。 「捨て、ないで」 もう離れたくない、唯に愛されていたい。 「…………………捨てないよ、前も言ったかもしれないけど俺は玲緒が好きすぎて困ってんの。それなのに捨てるわけないだろ」 唯はそう言って優しく抱きしめてくれた。 涙が出そうになって思わず彼の胸に顔を押し付けるけど、やっぱりあの甘い香りがして何とも言えない気持ちになる。 その言葉は本当?信じてもいいの? 聞きたいのに、言葉は喉に引っかかって出てこない。 「っ、今日は帰るね、ありがとう」 そう言ってリビングに置いてあるリュックを取って玄関まで走った。 後ろから唯が追いかけてきて、腕を掴まれそうになったけど寸前のところで伸びてくる手を交わした。 頭の中で考えたくないことがぐるぐると巡る。分からない、俺はどうしたらいいのかな… * 玲緒の言葉は唯には伝わらない。

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