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第265話
「俺のことが、好き?」
「そう」
でもさ、と彼は言葉を続ける。
「夏祭りの時に一緒にいた男の人をみて、もしかして…って思ったよ。距離も近かったし逢坂くんの表情も一気にほころんだからね」
玲緒は表情など意識してないので変化していると言われてもいまいちピンと来ない。
「この前一緒に遊んだ時、またあの人が来てまだ別れてなかったんだって思った。」
声のトーンがさっきよりも低くなった気がする。だけど目隠しをされているので高柳くんの表情は分からないままだ。
「逢坂くんは一途っぽいから、きっと頼んでも遊んでくれないだろうなぁって考えてたんだよね」
「…あ、そぶ?」
「もちろん大人の方の遊びだよ」
そう言われてなんとなく内容を理解した。
「だったら、嫌がるかもしれないけど無理やりにでもやっちゃおうって」
胸のボタンが1つずつ外されていく。
「やだっ、やめて」
唯以外の許してない人に触られるのは嫌だ。
「嫌がられながら無理やりするのって結構性癖に刺さるんだよね……すごい興奮する」
スラックスの上からお腹を優しく撫でられてゾワゾワと鳥肌が立つ。
「俺SMプレイが好きなんだけど逢坂くんはどう?」
「やだっ、触んないで!」
逃げようとしても腕が縛られているし視界も遮られていて見えないから逃げられない。
「痛いの好きってことで良い?」
「やだっ…やだよ…っ」
痛いことは嫌い。
それはこわいから。
唯から与えられる痛みは痛いようで痛くない。正確に言えば痛いは痛いんだけど信頼出来る唯だからこそ任せられるんだ。
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