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第268話

「そろそろ始めるね」 「な、なに……」 高柳くんはゴソゴソと紙袋を漁りながらニコニコと嬉しそうに笑っていた。 …………唯、今何してるのかな。 一人で怒ったり悲しくなったりして唯にハッキリと言葉を伝えないまま、昨日は帰ってしまった。 仕事かな、それとも新しい恋人さんかな。 …寂しいな。それに唯とほかの人がじゃれあっているのを考えただけで胸がズキズキして酷く痛む。 言葉を伝えられない自分はずるいなって思う反面なんで気づいてくれないのって思ってしまう自分もいた。 「ひっぐ……唯…ゆい、」 「唯さんは助けてきてくれないよ、それよりちゃんと俺のことをみてほしいな」 そんなの嫌だ。 唯がいい、唯じゃなきゃ嫌だ。 「おねが、い……挿入れないでっ、おねがいっ」 「え〜」 どうしようかな〜としばらく悩んだあと彼は再び口を開いた。 「じゃあ今回は初回ってことで挿入れないけど、次は挿入れるから、良いね?」 良いわけないと反抗したかったけど、反抗したらきっと今すぐにでも犯されてしまいそうでこわかった。 その言葉に小さく頷くと高柳くんは満足そうに微笑んだ。 「じゃあ口開けて?」 「?」 「フェラだよ、フェラ。お尻が使えないだったら口でやるしかないでしょ」 呆然としていると彼の性器が目の前に出されて口の中へと強引に押し込まれてきた。 「噛んだら今日ヤるからね」 苦しい、苦しくてとても痛い。 唯だったら俺が嫌がることはしないでくれるし、こんなに強引にやらせたりしない。 そんなことを考えると涙がぽろぽろと零れてくるのが分かった。

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