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第279話
「ふぁ…今日は疲れたよね、眠れそう?」
「……あんまり、です」
夜11時を回った頃、俺と八坂さんは大きなベッドに二人で横になっていた。
本来ならここは飛鳥さんのポジションなんだけど、お客さんにソファは申し訳ないからと言って譲ってもらってしまった。
夜ご飯は八坂さんが作ってくれて、二人と話しながらたべる夕食はとても美味しく感じた。
「そうだよね、横になるだけでも疲れはとれるからゆっくり眠れる時に眠れば良いよ」
「…ありがとうございます」
八坂さんはいつもより増して俺を気遣ってくれて、優しい言葉をかけてくれる。
俺の嫌なことや思い出させるようなことは決して言わないし、それは飛鳥さんも一緒だった。
「1つ話をしても良い?」
「?…良いですよ」
目を閉じて眠気が訪れるのを待ってみてもやはり中々眠気は訪れない。そんな時八坂さんが隣から声をかけてきた。
「俺ね、少しでも玲緒くんが嫌だなって思うことを減らしてあげられたら良いなって思ってるんだ」
それは一緒にいてとても感じる。
俺のために動いてくれてて申し訳なく感じるほどに。
「でね、その問題を解決するために必要なことがあるの」
必要な、こと…?
八坂さんは苦笑いをしながら「分かるかな?」と言ってきた。
「…分からない」
「それはね、唯さんと話をすること…なんだ」
唯と、話をすること?
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