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第285話 唯side
玲緒に謝った後、ずっと玲緒にくっついていたくてしばらく膝の上に乗せていた。
今回の件は完全に俺が悪くて本当に申し訳ないことをしたと思った。
そんな俺に態度が変わるのはもちろん分かるが玲緒の様子は少し変だった。
そわそわとしていて時折携帯がなるとビクッと過剰に反応する。
どうかした?と聞いても「びっくりしただけ」と言って携帯を触ろうとしないし、見ようとすらしない。
なんか、変だ…。
さっきからたくさん携帯が鳴っていてメッセージか何かが来ているはずなのに…。
もしかして携帯から離れようとしている……?
なんでだ?
「ほら」
そう言って置いてあった携帯を取って玲緒に向ける。
向けただけなのに、
「やっ、いやっ…!」
そう言って腕をバタバタと振り回して激しく拒否した。
玲緒の手に携帯があたって俺の手から離れてしまい、そのままガタンっと強く床に打ち付けられた。
「ぁ…、ちが……」
「大丈夫だから」
泣きそうになる玲緒を言葉で慰めて携帯を拾った。画面の端に少しだけヒビが入ってしまっているが、問題は無い。
電源スイッチを押すとディスプレイにメッセージが表示される。
「みないでっ!」
『なんで既読無視するの??』
『写真みんなに送っちゃっていいのかな?』
『あの唯さんが見たら玲緒くんのこともう要らないって言うかもね、そしたら俺がちゃんともらってあげる』
頭がついてこない。
どういうことだ…?
写真………?
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