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第288話 唯side
家に戻ると玲緒はまだ眠っていてしばらく起きそうになかった。
俺は自分の部屋に入ってパソコンが置いてあるデスクに向き合った。
「……さて、やるか」
さっき八坂からもらったのは高柳に関する情報や当日、八坂が玲緒から聞いた話をまとめた書類だ。
情報を調べ、確認しながら何か使えるものはあるかと見てみるが、高柳の両親は普通に働いているし高柳自身も特にこれといった問題を起こた過去等は見当たらない。
高柳が受験する予定の大学は玲緒の希望している大学とは違う。
距離的にもだいぶ近い、というわけではないのでそこらへんは安心だ。
これからどうするか。
今の時期に圧力をかけても転校させられるかどうかは微妙なところだ。
学校側も忙しいだろうし、なにしろ高柳の両親がすぐに応じるとも考えにくい。
どうすれば良い…頭を全力で回転させ考えを巡らせる。
まずは高柳に会ってみるか。
顔を見たら怒りがこみ上げてきて殴ってしまうかもしれないが、会って話をしてみるのが1番良い方法な気がする。
もちろん玲緒は同行させない。
俺一人でなんとかする。
連絡手段はLINEで良いだろう。
玲緒を装ってメッセージを送る。
そう考えを立てた俺は玲緒の眠っている寝室へ行くことにした。
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