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第301話

「け、結婚…?」 「あぁ」 突然のことに頭が追いついていかない。 俺はもうパニックだ。 「……結婚……?」 「傍で苦しんでる玲緒をみるのは辛い」 困惑している俺の隣で唯はぽつりぽつりと話をし始めた。 「苦しんでる玲緒の助けになりたいし、四六時中離れないで守っていたい。本当はこんなに可愛い玲緒を外になんて出したくない…」 そっと抱きしめられて、玲緒もそれに応えるように抱きしめ返した。 「一緒に暮らしたいって強く思うようになった。ずっと一緒にいたい。」 「…うん」 「形なんてなくてもいい、けど時々確証が欲しくなる。玲緒は俺のものだ、っていう」 「じゃあ、これプロポーズ…ってこと?」 「そう」 「俺なんかが…唯を独り占め、しちゃっていいのかなぁ」 唯みたいに優しくて、かっこよくて、尽くしてくれて、なんでも出来て、頭が良い…そんな人なかなかいないと思う。 こんなに良い人を俺が独占してもいいの? 「俺はもう玲緒のものだよ」 こんな俺に愛を伝えてくれる人がいる。 しかもかっこよくて性格も超いけめん。 なんか、無理…キャパオーバー。 「俺と結婚してください」 「はい、っ」 俺、すごい幸せだ。 「玲緒が受験受かったら一緒に住もう?」 「うん、っ」 涙がぼろぼろ落ちてくる。止まんないや。 「もう、泣くなよ」 唯は笑いながら俺の涙を拭いてくれた。

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