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第302話
昨日たくさん泣いた俺はいつの間にか眠っていたらしい。
朝日の光にあてられて目を覚ました。
「ふぁあ……ふふ」
左手の薬指にはシルバーとブルーのラインが入った指輪。
それをみて朝から幸せな気分になる。
「おはよ……って、ほんとかわいいな」
そこに俺を起こしに唯が来て、ぎゅうっと抱きしめられてそのまま抱き上げられる。
「おはよぉ……洗面所まで連れてって…」
「はいはい、顔洗ったらごはんな」
「うん」
唯に抱っこされたまま洗面所まで連れていってもらって、自分で顔を洗った。
「ごはん何かな〜」
そんなことを考えながらリビングに行くとごはんの良い匂いで満たされていた。
「ほら、座りな」
「ありがと……いただきます」
目の前には唯が作ってくれた朝ごはん。
…………………おいしい。
こんなに美味しいご飯が作れるならどっかのお店のシェフにでもなれば良いのに。
あ、でも勉強を教えるのも上手だから学校の先生とかも天職かもしれないなぁ。
あとはどんな職業が似合うかな…たとえば…優しくてかっこいいからホストとか?
…嫌に似合いそう。
まあそしたらめちゃめちゃ稼ぐんだろうな。
お店の指名ナンバーワンホスト…とかいって。
でも唯はやっぱりヤクザが合ってそう。
そんなことを考えながら正面に座ってコーヒーを飲む唯をぼんやりと見ていた。
はぁぁ…今日もすごくかっこいい。
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