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第303話
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「忘れ物ないか?」
「…あるって言ったら戻ってくれるの?」
学校まで送ると言ってくれた唯に甘えて車で送ってもらうことにした。
それから学校のそばの駐車場に止めてもらった。
「それで気が済むならな」
そう言って微笑んでくれる唯はやっぱり優しいんだと思い知らされる。
「帰り、連絡くれ家まで送る」
「ありがとう」
帰る時も唯に会えるなんて幸せすぎる。
早く、一緒に住みたい。
そんでずーっと一緒にいたい。
休みの日は一日中くっついてだらだらしたりいちゃいちゃするのもいいし、一緒にテレビを見たりするのもいいかなぁ。
平日は俺の方が早く帰って唯におかえりって言ったりして、一緒にご飯食べたり。
うん、憧れる…。
「がんばれたらご褒美やるよ」
「え、ほんと?」
「もちろん、ほら行きな」
「…行ってきます」
「行ってらっしゃい」
そんな感じで唯に送り出されて俺は学校に登校した。
高柳は来てるのかな…。
今日一日、なるべく一人にならないようにしよう。
「あ、玲緒…!?おはよう!!!」
「おはよう〜」
「玲緒が休みで寂しかったよ!夏樹は全然話聞いてくれなくてさ!もう酷いよね!」
校門の前で合流したのは翔。
ぴょこっとはねた後ろの髪の毛がだいぶ可愛らしい。
もし本人が気づいているかと問われれば気づいていない確率の方が高いと答える。
「ていうか大丈夫だった!?なんかあった!?風邪?風邪なの??」
「ん〜まあ…詳しいことは後で時間ある時に話すから」
「そっか〜じゃあ夏樹にお昼までにはおいでってLINEしとく〜!」
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