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第305話

「玲緒がそうするって言うなら応援するし、全力で手伝うよ!」 「……まあ、俺も」 「二人ともありがとう…っ」 ** 「おかえり」 「ただいまっ!」 学校で帰りのSHRが終わった瞬間、荷物を整理して二人にお礼と挨拶をして校舎を走ってきた。 唯に早く会いたかった。 「どうだった?」 「うん、大丈夫だった」 車に乗ると唯が俺の頭をぐりぐりと撫でてきて「良くがんばったな」と褒めてくれた。 「キスして…」 「はは、いいよ」 そうして重なる唇。 唯の体温が俺に流れ込んでくる。 「ん…ぅ……」 「愛してる」 唯は俺にそう伝えた後、優しい眼差しで俺の頭を撫でてくれた。 "愛してる" この言葉がどんなに嬉しいものか。 俺は今、幸福感でいっぱいだ。 「唯、あのね…」 「なに?」 「受験は後期で受けることにした」 自分で必死に考えて出した結論。 今の状態では面接なんて出来そうもないし、全く知らない人と話すのに不安さえ抱いている。 だったら勉強をがんばって受かるしかない。 「応援するから、俺に出来ることならなんでも言って…勉強も多分みれると思う」 「うん、頼んじゃうかも」 「それくらいはする…っていうかさせてくれ」 「ありがと、唯」

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