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第306話
「送ってくれてありがとう」
「あぁ、また連絡するから」
唯に家まで送ってもらって、優しい言葉をかけてもらう。
離れ際にした軽いキスがなんだか切なくなった。
「連絡、待ってられなかったら俺からしても良い?」
「ははっ、もちろん良いよ。玲緒が寂しくならないように早めに連絡する」
「ありがと唯っ、大好き」
「俺もだよ」
**
「玲緒兄ちゃんのごはん、おいしい」
「そんなことないでしょ」
「………自分で作るとなんかよく分かんないけど焦げちゃうから」
「あぁ……」
前から葉月は少しだけ料理が苦手なところがあったっぽい。
じゃあごはんまともに食べられてなかったのかな…?
「ごはんどうしてたの」
「大体コンビニ」
どうしよう、葉月がコンビニ食にハマって不健康になったら……なんて考えてたら。
「うっそぴょーん、美鶴兄ちゃんとこに行って食べさせてもらってた」
まあ朝はコンビニなんだけどね、と葉月は笑いながらそう言った。
兄貴、そういえば連絡全然してないや。
今度連絡して、そのついでにごはんでも奢ってもらうか。
めちゃめちゃ高いやつとか…。
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