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第307話
「んん…」
勉強すること3時間目。
もう11時半を回っていて、耳を澄ませてもシーンとしている。
勉強に一区切りがついて背をぐっと伸ばす。
また一段と寒くなってきたなぁ。
さっき淹れてきたあたたかいココアを飲みながら窓の外を眺める。
あ、今日は星が綺麗に見える。
綺麗だなぁ…唯にも見せてあげたいな……あっ、唯から何か来てるかな…?
ぱっとそんなことを思い出して急いで携帯を操作してLINEを開く。
そこにはちゃんと唯からのメッセージがあった。
『今日はお疲れ様。また困ったことがあったらすぐに言って。
そういえば玲緒の誕生日は12月だったな。何か欲しいものとかある?』
優しさがたくさん詰まったメッセージだ。
胸が熱くなって、涙が出そうになる。
誕生日、ちゃんと覚えててくれたんだ。
初めて唯と過ごす誕生日。
まだ少し先の話だけどそれを考えただけで幸せな気待ちになることができる。
『唯もお疲れ様、今日はありがとう。
唯と一緒に一日過ごしていたいな。そういえば唯の誕生日はいつだっけ?』
こんなに一緒にいるのに唯の誕生日を知らないなんて…って自分でもすこし驚いた。
だけど聞いたことがないものは知らないのが当たり前だ。
『また次に会う予定を立てよう。
分かった、玲緒の誕生日には休みを取っておく。俺の誕生日も12月だった気がする…けどよく覚えてない』
…よく覚えてないって、そんなことある?
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