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第308話
「唯の誕生日、教えてください…っと」
自分からはなかなか教えてくれない唯。
だったら他の人に聞いてしまおうと八坂にメッセージを送った。
『唯さんの誕生日は12月21日だよ』
12月21日…俺の誕生日と一緒?
とりあえず八坂さんにお礼のメッセージを送った。
誕生日教えてくれなかったのって俺と一緒の誕生日だから言いたくなかったのかな?
ま、俺もお祝いしちゃうもんねー
大人の男の人って何が欲しいんだろう。
これもまた難しいなぁ。
高校の同級生とかだったらゲームとか漫画とかそういうので良いと思うけど、唯がゲームをするとは思えないし、漫画を読んでるところなんて見たことない。
「今度さりげなく聞いてみよう…」
今日はもう寝ようかな。
だいぶ疲れたし眠くなってきちゃった。
部屋の明かりを消して冷たいベッドにもぐりこんだ。
**
「ふぁあ……」
チュンチュンという雀の鳴き声で目がさめた。
今日も学校か…。
がんばる、うん、できる。
朝の支度を一通り済ませると、時間が少し余ってしまった。
あと少し経ったら家を出よう。
葉月はまだ支度が終わらないようで家の中を慌ただしく走り回っている。
『おはよう、今日もがんばれ。無理しないようにな』
なんで、こんなに優しいんだろう。
このメッセージだけで今日一日はなんとかなりそうだよ。
『唯もがんばってね』
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