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第310話

「おつかれさま、乗って」 「ありがとう」 学校で待っていると見慣れた唯の車が駐車場に入ってきたのが見えたので車まで一直線に走っていった。 「お茶でも飲みに行こうと思うんだけど、どう?」 「うん、いいよ!」 久しぶりの唯とのデートだ! 放課後、制服デート! うわ〜なんかテンション上がるなぁ。 唯は今日もかっこいいし。 それに比べて俺は…今日は寝坊寸前で、今日に限って寝癖がついてて直らなかった。 だからこの状態で会うなんて最悪だ……。 俺だって唯にかっこよく見られたいもん。 数分して着いたお店はお洒落なカフェ。 入店するときにカランカランと可愛い音が鳴った。 「何にする?」 席に案内されて、メニュー表を広げた。 うーん……。 「ココアにする!」 「玲緒はココアが好きなんだな」 と言って唯はふわりと笑った。 ココアが好きになったきっかけは唯なんだけどね…とは恥ずかしいからぜっっったいに言わないけど。 結局唯はコーヒーを頼んで、俺の元にはあまいココアが届いた。 「学校はどう?」 「うん、楽しいよ」 まあ唯と一緒にいる時間の方が何百万倍も楽しいけど…。 「唯とこうやって会えるの、すごく嬉しい」 「それは良かった、俺も嬉しいよ」 本当はぎゅうって抱きしめてほしいし、キスだってしてほしいけどお店だからできない。 「あ、そうだ。終業式はいつ?」 「21日だったと思うよ」 21日関係で思い出す。 唯の誕生日…プレゼント、渡したいな。 「玲緒の誕生日、祝いたいんだけど玲緒はどう?」 「どうって……?」 「センターとか近いんだろ」 「あぁ……うん、まあ」 確かにセンター試験は1月刻一刻と時間は迫ってきている。 だけど、さ… 「誕生日、と…クリスマスは一緒にいたい」

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