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第313話

** 唯と話をした日から数日が経った。 登下校をする時の俺の首元には真っ赤なマフラー。 唯にもらってから、毎日マフラーを付けている。 「玲緒の彼氏は優しくていいねえ」 「べ、別にそんなこと…うーん…あるけど」 翔が茶化すようにニヤニヤしながら俺のマフラーをみて話す。 夏樹は今日も遅刻だ。 「どーせ、クリスマスも誕生日も一緒にお祝いするんでしょーお」 「うん、まあ…」 「いいねえ、俺は今年も夏樹でも誘お〜。3人だったのが2人になっちゃったよ」 そう言って苦笑いする翔。 「午前中だけ俺も行きたいな」 「えっ!ほんと?!いいの?!」 「午前中だけだけど…」 「やったぁー!!今年も3人でお祝いだあ!」 翔はこうやって素直に感情を表せるところが本当に可愛いと思う。 俺まで嬉しくなるし…。 「ケーキ買お!ケーキ!イチゴのショートだよ!」 「いいよ」 夏樹がこれを聞いたら甘すぎる…といって嫌がるだろうか? ま、遅刻してくる夏樹が悪いから気にしなくていっか。 「あ、今日は用事があるから一緒に帰れない」 「そうなの?」 「うん」 「玲緒は上げて落とすタイプだな……」 と、翔はまた少ししょぼんとしながら笑った。 「実はさ、唯の誕生日も12月21日なんだよ」 「えっ玲緒と一緒じゃん!」 「そう。でも教えてくれなかったんだよね…でも誕生日なにかしてあげたいなと思ってさ」 「あー、もしかして今日それを探しに行くとか?」 「探しに行くっていうかまだ下見」 そっかあと言いながら翔はそれなら仕方ないねと小さく笑ってくれた。

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