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第320話
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「玲緒、誕生日おめでとう」
「ありがとう!」
テーブルには唯が作ったたくさんの美味しそうなごはんが並んでいた。
俺の好きなものばっかり…。
「これ、プレゼント」
「あ、開けてもいい?」
「もちろん」
そう言って渡された紙袋の中には細長い箱と長方形みたいな箱が2つ入っていた。
片方ずつ開けていくと、細長い箱の中にはシャーペンが入っていて長方形みたいな箱には香水が入っていた。
シャーペンはホワイトがベースになっていて黒いラインが2本入っている、シンプルでかっこいいデザインだった。
…ってあれ、このロゴ…めっちゃ高いやつじゃない?
そう思って心配になりながら唯をみるけど唯は何もわからないようだった。
「ね、ねえ…このシャーペン高いやつじゃないの?」
「値段は気にしなかった……受験頑張って欲しいと思って…」
と、唯は言って微笑んでいた。
もうひとつの香水は、あんまりよく分からない。
実は香水は初めてもらった。
今まで買ったこともなかったし買いたいと強く思ったことはあまりなかった。
「なんで香水?」
「あぁ…いや、なんていうか…」
理由を聞くと少しはぐらかそうとする唯。
なんでーーっとずっと聞いていると、しばらくしてからやっと教えてくれた。
「…玲緒がよく俺の匂いを嗅ぐから」
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