331 / 337

第331話

「ここはどうすればいいの?」 「これをこうする……次にこう」 次の日は約束通り、俺に付きっきりで勉強を教えてくれた。 おれの隣でパソコンを打ちながらも、わからないと言うと中断して一緒に考えてくれた。 わからないって言わなくても目線で分かるらしく、どうした?ってイケメン爽やか風に聞いてくるから無駄にドキドキする。 「お昼ご飯作ってるからなんかあったら呼んで」 「うん、ありがと」 そう言われて時計を見てみればもうお昼を過ぎていた。 勉強をしてたらあっという間に時間が過ぎていって、達成感を得る。 唯が教えてくれたおかげでだいぶ整理ができた気がする。 もう少し自分で頑張ってみよう……。 ** 「玲緒、少し休憩にしよう」 「…ん〜あとちょっとしたら」 「さっきからそれの繰り返しだろ」 コトンと目の前にマグカップが置かれて、中を覗いてみるとココアが入っていた。 湯気が出ていてまだ暖かそうだ。 懐かしいなぁ、唯と初めにあった時はココアばっかり飲んでたっけ。 「はい、休憩」 「ありがとう」 ココアは思った通り温かくて俺の心まであったかくしてくれる。 「たくさん頑張ってて偉いな」 「まだやらなきゃ……落ちるのはこわい…」 「こんなにやってるんだから大丈夫、玲緒なら絶対に受かるよ」 「絶対なんて…………」 受験に絶対なんてないもん…。

ともだちにシェアしよう!