「今日がなんの日か知ってる？」 「…クリスマス？」 唯が今までの話題を打ち切って、そんなことを聞いてくる。 街ではクリスマスツリーや緑と赤の装飾品が色とりどりに飾られていてとても綺麗だった。 「そう、合ってる。ちょっとまってて」 「うん」 そう言って唯はどこかに行って、すぐにまた戻ってきた。 「これ、つけて欲しいんだ」 唯は膝を床につきながら俺に四角い箱を見せてくれた。 箱を開けると、ブレスレットのようなものが入っていた。金色の金属で銀色の粒の装飾品が1つ付いている。 「クリスマスのプレゼントは用意しないって約束したのに……」 「約束破ってごめん」 12月の初めにクリスマスの話題でプレゼント何がほしい？と唯に聞いたら、負担になるから今回はプレゼントは買わないようにしよう、その分二人でお祝いしようと言われた。 玲緒はそれに渋々納得したのに…。と少しずるく思ったりもするけど、ちゃんと謝ってくれたからまあいっか。 「でも俺もらってばっかりで嫌だ…」 「気にするな、これは俺のわがままだと思って」 唯は優しい笑顔でそう言って俺にキスをしてくれる。 それで機嫌が直っちゃう俺も俺だけど、キスをしたら嬉しくなっちゃうもんだ。 「これ、ブレスレット？」 「違う。アンクレットっていって足にするやつ」 「ふーん」 俺の左足にひんやりとしたそれが付けられて、少しびくっとするけどその温度にもだんだんと慣れていった。 「これ左足にしかつけないで」 「なんで？」 「いいから。俺とお揃い」 「ほんと！？嬉しい！」 左足にしかつけない意味はよく分からないけど唯とお揃いなのは単純に嬉しかった。