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第6話

「俺がお前の兄貴の代わりになる」 「…なに、言って…」 「いいから」 そういって半ば無理やり唇を押し付けられる。 「んっ」 何も考えられないような刺激に頭が真っ白になった。 そんな月宮さんに精一杯の抵抗をするべく目の前にある月宮さんの胸を強く押した。 「っ、無理!俺は良くても月宮さんには、無理です、よ...」 「俺は別に…キスだってできたし」 「キスはできてもセックスは無理!」 「できるかもしれないし……やってみる?」 「やんない!!!!!」 いきなりの爆弾発言に心底驚いた。 この人って見かけによらず変な人だ。 「まぁいいや、携帯」 そういって俺の前に手を出される。 「え、なんで…?」 「いや仮にも恋人するんだから連絡先くらい知ってても良いだろ?」 「…恋人するって日本語変ですけど」 「あー、恋人になるんだから?」 「…うん」 なんだか恥ずかしい… 「ひゃっ!?」 いきなりスラックスのポケットを漁られ驚いた。 そして月宮さんの手には俺の携帯があった。 ひょいひょいと手慣れた感じで操作し、すぐに俺の手へと戻ってきた。 「登録しといた」 「あ、はい」 連絡先には確かに月宮と書いてあった。 「あの…これも上の人からの命令、だったりするんですかね?」 そう、俺が1番気になっていたことを恐る恐る聞いた。

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