13 / 337
第13話
そっとパーカーを取り羽織った。
「いってきます」
玄関で小さくそう呟き、家を出た。
夜の街はまだまだ明るくてたくさんの人がいる。
俺は気の向くまま足を進めた。
たどり着いたのは路地裏で、
気がついたら昨日とは違う奴らとケンカをしていた。
今日の相手は3人か〜
いけるかな…体、こんなだけど
いらいらする全部全部全部
なんで俺?
苦しい苦しい
葉月はきっと受験でいらいらしてるだけ。
俺にぶつけるしかなくて仕方のないことなんだ。
だからこの気持ちを葉月に向けることはできない
葉月を傷つけることは、できない。
どれくらい経ったかな?
今日の奴らはしぶとくて少し手間取ったけど、残るのもあと1人。
あと一発くれたら倒れてくれそう。
そう思い拳に力を入れ振り上げた。
が、その手は降りてこなかった。
「玲緒っ、もうやめろ」
気がつけば月宮さんに手を掴まれていた。
ともだちにシェアしよう!