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第22話
「俺さ、5人家族で3人兄弟なの、兄弟は全員男。俺はその真ん中で生まれて、俺が高1になった時に父さんと母さんの海外行きが決まったんだよね。
2人は何かを研究してて、すっごい嬉しそうでさ、その年に兄貴の就職も内定もらえて一気に3人が家を出て行くことになった。」
俺はゆっくりと自分のことを語っていく。
声は少し震えているけど唯なら大丈夫。
「母さんからは葉月と2人でも大丈夫だよね、玲緒はお兄ちゃんだし、って言われて…っでも違くて、俺はそんなに大丈夫じゃない!葉月とも上手くいかなくてっ、でも俺がどうにかするしかなくてっ…」
「大丈夫だから、少し落ち着け」
そういって唯は荒い息をする俺の背中を撫でてくれた。
そんな唯の手にとても安心している俺がいるのにはもう気づいていた。
「ありが、とう…唯」
「落ち着いたか?」
それから俺の呼吸が整うまでずっと背中を撫でてくれてた唯。
やっぱり優しいんだなぁ
「うん…葉月は俺の弟でね、今年受験生なんだ…葉月は俺のことが嫌いみたいで毎日毎日俺に暴言を吐くんだ。…なんか、辛くなっちゃって…」
「…それでケンカしてたのか」
「そうだよ…嫌になった?」
「嫌になんかなってない。…だけどもうケンカはやめろ」
「頑張ってみるよ」
えへへって笑って唯を安心させるようにその笑顔を向けた。
そしたら俺を抱きしめる唯の力が強くなった。
「仮にも俺はお前の恋人だ」
「うん」
そして唯は俺にキスしてくれた。
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