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第30話

朝、いつも通りの時間に起きる。 洗面所で顔を洗い流して髪の毛を整える。 制服の袖に腕を通し、カバンを持ってリビングに向かう。 今から葉月の食べる朝ごはんを作って机に運ぶ。 朝使用した食器や料理道具は夕方、家に帰ってから片付けるのがほとんどだ。 毎日繰り返されるこの習慣。 めんどくさいと思っちゃダメ、全部葉月の為で、葉月の受験が終われば多少は落ち着くはず。 魚を焼いて味噌汁をつくった。 ご飯を用意して卵焼きの準備を進める。 もうほぼ慣れたこの作業。 なんか俺、主婦みたいだなぁって笑えてくる。 「きもっ、何1人で笑ってんだよ」 そんな声が聞こえ、どきっとしてリビングをみると今起きてきたであろう葉月の姿があった。 「おはよ〜ご飯ちょうど出来たから」 「チッ」 ありがとう、くらい言えばいいのに… お前の返事は舌打ちで返すものなのか?と思わず問いたくなった。 葉月のためにつくった朝ごはんを机に並べてから、身支度をして家を出た。 「おはよ〜」 「おはよ」 「ふぁぁ…あっ!レオおはよ!!」 学校へ着き、教室へ行くと2人はもう来ていてどうやら課題をやっているようだった。 そんな2人の机に乱暴に広げられているのは英語のテキストで、俺が昨日死ぬ気で取り掛かって終わらせたものだ。 翔なんかはあくびをしながらペンを回している。 「間に合うの?それ」 まともにやったら絶対間に合わないような課題を横目に質問してみた。 「「無理…!」」 そしたら案の定2人は声を揃えてそう答えた。 「はぁ、仕方ないなぁ〜はいこれ」 俺は自分のカバンからノートを取り出し2人に渡した。 「神!レオありがとう!!」 「レオ〜!!!ありがとう」 ノートを受け取り机の上に広げると2人はペンを素早く走らせなんとか課題を終わらせていた。

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