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第34話
あーあ約束破っちゃうなぁ
こんなこと知ったら唯、怒るかな?
男に連れられてやってきたのは廃工場っぽい所で今でもこんなとこあるんだ、なんて感心する。
人の立ち入る様子は感じられなくて全体が埃を被っていた。
工場の中に既に数人がいて全員知らない、見たことのない顔だった。
「用件は?」
俺がそう聞くと真ん中に座ってた1番偉そうな奴が答えた。
「この前俺の後輩が世話になったらしいじゃん」
帰ってきたのはベタなセリフ。
ドラマでよく聞くようなフレーズに心底落胆した。
こういうセリフってすっごいダサいよね、あと悪役がよく言うようなセリフ。
このセリフを言ったらほとんどの悪役はヒーローにこてんぱんにされちゃうっていう物語は少なくないはずだ。
そしてこういうことを言うやつは大抵頭が悪そうで、目の前にいるやつも例外ではない。
「覚えてないんだけどー」
本当に申し訳ないけど顔の少しも思い出せないし、名前を言われてもきっと思い出せない。
そんな想いでぽかんとしていると1番
偉そうなやつが先に口を開いた。
「チッ、…だからお前を袋にしてやろうと思ってな」
そういってニヤニヤと下品に笑うそいつ。
「いいよ」
みたところ相手は5人で恐らく同じ高校生。
俺より1つか2つ上、くらいかな?
久しぶりの人数だけど勝てないことはないだろう。
早く帰って葉月にご飯作ってあげなきゃ
ケンカしててこんなにめんどくさいことになるとは予想もしてなかったなぁ
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