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第35話 唯side
仕事をしていると知らない番号から電話がかかってきた。
仕事柄よくあることなので落ち着いて電話を取ろうとしたけど、何だか胸騒ぎがする。
「…はい」
『あっ…もしもし月宮さん、ですか?俺、夏樹っていってレオの友達です』
レオの友達がなんでかけてきたんだ?
なんで俺の番号を知ってるんだ?
頭の中にはたくさんの疑問が出てきたが
相手に動揺が伝わらないように、いつもの声を意識した。
「はい月宮です。何かありましたか?」
『実は…』
それから夏樹くんから聞いた情報を頼りに車を走らせていた。
学校帰りのとこから全て聞いた。
玲緒は大丈夫なのだろうか、不安ばかりが頭に浮かぶ。
玲緒は喧嘩に強い
それは前に玲緒の喧嘩をみたから分かる。
無駄のない動きに周りがよく見えていて躱し方も上手い。
一般人が相手なら負けることはほぼないだろう。
だけど仮にも恋人になった今、心配なのは変わりない。
出来るだけ車の速度を上げて玲緒のいる場所へ急いだ。
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