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第41話 唯side

唯はタバコを咥えながら考えていた。 どうしたらケンカを玲緒から遠ざけることができるのだろう。 仮にも恋人、といっても唯は玲緒に惚れていた。 玲緒が兄への恋心を抱くことで傷ついてしまったのならばその傷を癒すことが俺の役目だ。 だから代わりをする、なんていってしまった。 あの時の玲緒を放ってはおけなかったから。 手を離したらいけない気がした。 触れるだけで薄いガラスのように壊れてしまいそうで壊れ物を見ている気分だった。 玲緒の笑顔はどこか儚げでその笑顔をみていると胸が痛くなった。 救いたい、そう思ったのは彼で二度目だった。 「お風呂ありがと〜」 突然かけられた言葉に、はっとして顔を向けるとお風呂を出たばかりという様子の玲緒がいた。 髪は濡れていて色っぽく、少し大きめの服のせいもあってか鎖骨は余裕で見えていた。 エロい、そして可愛い。 「あ、あぁ」 俺は動揺して情けない返事をしてしまった。 そしたら玲緒は俺が動揺してるのを察したのか、 「どうしたの?…あ!まさか!俺が服を裏表逆に着てるとか!?」 なんて聞いてきた。 「違うから!…俺も風呂に行ってくる」 自覚がないのは少しこわい… 唯は理性と戦いながら浴室へ向かった。

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