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第44話 唯side

「俺さ、好きな人できたんだ」 そういって玲緒は幸せそうに笑った。 自分の役目ももう終わりなんだなぁ、すごく短い期間だったけど玲緒といるのは楽しかった。なんて振り返っていた。 俺は玲緒を送り出さなきゃいけない。 玲緒は俺1人のものじゃない。 俺なんかが手に留めていて良いものじゃない。 玲緒は綺麗のままが似合っている。 分かってる。 だけど、俺の口からは意思とは真反対の言葉がこぼれた。 「嫌だ…玲緒どこにも、いくな」 自然と玲緒を抱きしめる手に力がこもる。 俺は自分で気が付かないうちに玲緒を手放すことができなくなっていた。 「兄貴の代わりになってくれてありがと、唯」 でも玲緒は俺の言葉を無視して言葉を紡いでいく。 「もう俺、大丈夫だから」 嫌だ、玲緒側にいてくれ

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