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第50話

次の日、目が覚めたら唯がいた。 そして今日は金曜日。 「わぁっ!学校だ!」 ぼんやりしていた意識がはっきりして、今日は学校、ということを思い出した。 「ん…いい、もう少し寝てろ」 「ダメだよ!家にも一旦帰らなきゃ…」 「ふぁ、…送ってやる」 唯はすっごく眠そうだったけどなんとか起き上がって、背伸びをした。 その仕草すらもかっこよすぎるよ…。 「めんどくさいからパンで良いか?」 朝ごはんを作ってくれるらしい唯に 「朝ごはんいつも食べないから作らなくていいよ〜」 って、言ったら唯はすっごい驚いたような、でもちょっとだけ怒ったような顔してた。 それも一瞬ですぐにいつもの唯に戻ったけど…。 結局唯はパンを焼いて俺に食べさせてくれた。 デザートに昨日のチョコと甘いいちごのヨーグルトまでついてた。 「遅刻でもいっかぁ」 時間はもう8時でいくら急いでも間に合わない気しかしない。 だったら午前中の最後の授業だけ出ようと思った。 「そろそろ行くか?」 「あ、うん」 リビングで少しだけ時間を潰していると、スーツに身を包んだ唯が現れた。 やばい…さっきとのギャップがすごくていつもよりかっこよくみえる…。

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