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第51話
それから唯の運転する車で家まで連れてきてもらった。
玄関の扉に手をかけるとガチャリと音を立てて簡単に開いた。
鍵はかかっていなかったようで葉月ってば不用心だなぁ、なんて思いながら中に入った。
唯も暇つぶしで家に来たいって言ったから家の中に通してあげた。
リビングで待ってて、と伝えて俺はすぐ自分の部屋に行って学校へ行く支度をした。
今日必要な分の教科書を手に取り、昨日使ったものを戻した。
支度を整え、自分の部屋を後にして階段を降りようとした。
「…ぅ…はぁ」
僅かにだか、人の声が聞こえた。
気になって、そっと階段前の葉月の部屋を覗いてみるとベッドの上に膨らみがあった。
「葉月?」
「は、?…れお?…はいってくん、なよ」
どうやら風邪をひいているようだった。
熱が上がっているようでとても苦しそうに呼吸をしていて額には汗をびっしょりと浮かべていた。
「どうしたの?!なんでっ!」
「うる、せ、だまれ…その顔みてるとイラつく…」
葉月のその言葉を聞いてとりあえず気を取り直した。
まずは唯に言わなくちゃ、帰ってって
それから…今日は学校になんて行ってられないかなぁ
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