53 / 337

第53話 唯side

「まぁ、そんなことはどうでもいい」 「よくないんですけど…」 なんて答えたら良いのか分からず、なんとなくはぐらかして話を進めた。 「あのさ、風邪引いてるお前にいうことでもないと思うけど、あんまり…玲緒のこと困らせるな」 「は?」 葉月は俺のことを強く睨み、意味がわからないとでも言いそうな顔をした。 「玲緒を傷つけたら許さない」 「…お前に関係ないだろ…っ!」 「ごめんな、もう関係あるんだよ」 「どういう…っ」 葉月が口を開いた時タイミングよく玄関でガチャリと音がして玲緒の声が聞こえた。 「ただいま〜」 ドタドタと急いで階段を登る音がして部屋の扉が開く。 「あれ、どうしたの?2人とも」 「別に、それより買い物はできたのか?」 「…」 「うん!できたよカードありがとう」 そういって玲緒はカードを渡してきた。 そんな様子をみて葉月は驚きながらもその表情を読み取られないようにか、平然を装っていた。が、バレバレだ。 「学校まで送る」 「え、いいよ〜今日は休みで、葉月のことも見てなくちゃだし…」 「いいから」 「む、…じゃあお願いします…葉月ちゃんと寝てるんだよ〜!」 そうして葉月の部屋を出た。 葉月は思い切り俺を睨んでいたようで、後ろからものすごい視線を感じた。

ともだちにシェアしよう!