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第71話 唯side

迎えに行ったときの玲緒は電話の声より元気に見えて少しだけ安心した。 良かった、どこにも行っていなかった。 シートベルトを外し、車の外へ降りた。 いつも通り冷静を装って玲緒の元まで歩み寄る。 踏みしめる砂利の音が嫌にはっきりと聞こえた。 「玲緒…」 目の前にいる人間が玲緒だと確認するようかのようにその体を引き寄せ強く抱きしめた。 「心配かけちゃってごめんね」 えへへ、と笑ってみせる玲緒の様子はやはりいつもと少し違う気がする。 うまく言えないけど、作り上げているような... 何かあったのか? でも何があったにせよ、ケンカをしなかったことは一歩前進だ。 玲緒は気持ちが落ち着かなかったりモヤモヤすると喧嘩に走る傾向がある。 唯としては喧嘩はしてほしくない、それは単純な理由で玲緒が怪我をしたら嫌だから。 玲緒の成長をこんな短期間で感じられたような気がして頬が緩んだ。 唯はすり寄ってくる玲緒の髪を優しく撫でた。

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