「美鶴さんに認めて頂けないのはなぜ…でしょうか？」 そこで美鶴がコホンと咳払いをした。 「…失礼ですが月宮さんは堅気ではないとか…それに玲緒も月宮さんは男で同性です。」 堅気ではない、それに悪いイメージを持つのは当たり前だろう。 「確かにそうですが、この仕事をしてることを恥じてはいません。」 むしろ俺を成長させてくれている場所だ。 「玲緒には危険が及ばないように細心の注意を払っています。男…という点に関しては玲緒も納得してくれてると思います」 「そうでしたか…でも」 それからも「でも」という言葉を続けていく美鶴さん。 玲緒のことを心配して想っているのは十分にわかっていた。 だけどその反面、そんなに心配しているならなんで気づかないんだと怒りに似たようなものがわいてきたのも確かだった。 玲緒を諦めることは出来ない。 玲緒に辛い思いはもうさせない。 膝の上の拳をぎゅっと握り、気合を入れ直して真っ直ぐ美鶴さんと向き合った。 「唯っ」