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第93話
帰りたくない家には帰らず結城家に居候状態。
彼とはもう何度も体を重ねた。
唯とは違う体温は少しだけ安心したけど唯との日々を思い出してしまい、結局は恋しくなるだけだった。
そんな自己嫌悪に陥ってリストカットを繰り返す俺を結城は気味悪がらず、優しく宥めるように抱きしめてくれた。
結城は俺との時間を大切にしてくれていた。
だからあまり1人になることもなかったし、唯のことを思い出すことも少なくなった。
だけど夜、寝る時にはすぐに眠れなくて唯のことを思い出しては涙を流すこともあった。
「玲緒、今日は学校楽しかった?」
結城のつくったごはんを頬張りながら食べる俺に結城はいつもと同じことを聞いてくる。
「うん楽しかったよ!……ねえ結城、俺バイトしようと思う」
「えっ、なんで?」
「だって結城のお金で暮らしてる感じやだもん。俺も働いて貢献する!」
「しなくていいよ!玲緒がそう思ってくれるのは嬉しいけどね…」
そういって結城はニコリと微笑んだ。
「でもやる!やるの!!お願い!」
「…そこまで言うなら、仕方ないなぁ」
「やったぁ!」
とかいいながら実は結城に内緒で結城と会ったファミレスのバイト面接を受けていて、すでに働くことが決まっていた。
「頑張るんだよ玲緒。」
「うん!」
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