「玲緒くんのあとをこっそりついて行ったらこの写真撮れたんですよ」 「…誰？」 「知らないですよ〜」 自分の中でふつふつと湧き上がってくる不思議な感情。 無性にいらいらして落ち着かない。 「なぁ八坂」 「なんですか〜」 「俺はどうしたら良いと思う」 「とりあえず、取り返しに行った方がいいんじゃないですか〜？」 まぁ冗談ですけどね〜と八坂は続けて、ケラケラと笑う。 「…分かった。」 「え、まじっすか？でも！玲緒くんの意思を尊重してあげてくださいね！！？無理やりとかはダメですよ！！？」 そう言うと八坂はぽかんとした顔をして次に慌てふためいた。 「あぁ」 八坂にはそう言われたが、俺が取り返しに行く資格なんて無いのは自分で理解していた。 玲緒のことを悲しませてしまった。 あの時の玲緒の苦しそうな作り笑い、今でも脳裏にこびりついて忘れられない。 会いに行ったらまた玲緒を苦しませてしまうかもしれない。 それでも玲緒が他の男のものになるのは嫌だ。 「八坂、ありがとな…ちょっと行ってくる」 「えぇ！？今からですか？」 「あぁ、.....早く会いに行きたいんだ」