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第100話
「あ、…ぅ……ゆ、唯!久、しぶり、だね…」
唯の顔を見た瞬間頭の中が真っ白になった。
会いたかった、けど会いたくなかった。
どんな顔をすれば良いのか分からない。
気を抜けばすぐにでも崩れ落ちて泣いてしまいそうだった。
呼吸をするのが難しく感じる。
頭の中で色々な感情が湧いてきて混乱してしまっていた。
玲緒は途切れ途切れなりながらも必死に言葉を繋いで平然を装った。
「あぁ、かご貸せ」
唯はそういって俺が持っていたかごをぐいっと持ち去った。
そこで頭の中にたくさんのはてなマークが出てくる。
なんで唯はここにいるの?
なんで唯は俺に話しかけてくれたの?
なんでかごを持ってくれたの?
なんで?なんで??
唯は俺から手を離したはずなのに。
「や、やめてっ…」
小さい声だったかもしれない。
だけど唯には届いたらしく、ゆっくりと俺の方を向いて布?みたいなものを俺の口に当てた。
「悪い」
唯が少し悲しそうに、そう言うのを聞いて俺は意識を手放した。
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