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第107話

唯の家に来てからもう2週間が経とうとしていた。 ここに来てから俺は外には一度も出してもらえていない。 「唯、学校…」 「行かなくていい」 「でも、」 「3月からはどの学年も自由登校って学校パンフレットに書いてあった」 確かに俺の通う学校は2月には授業の全日程が終了して3月からは全学年が自由登校になる。 でも学校くらい行きたい。 唯に外に行きたい、学校に行きたいと伝えてもこんな感じで理由をつけられて外には出してくれなかった。 それにバイトも行けてなくて同じ従業員さんに申し訳なく感じてしまう…。 「玲緒、良い子で待ってられるな?」 「…うん」 今日は唯が出かけなきゃ行けない日。 それは先日から聞いていた話だった。 唯は俺を監禁するようになってから必要最低限は家を出なかったように思える。 だけど仕事で問題が起きちゃって本家の方へ行かないといけなくなったらしい。 唯はその知らせを伝える電話を聞いた時、すっごくこわい顔してその日一日中は不機嫌だった。

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