そして次に目が覚めたのは夜。 とてつもない吐き気がして慌てて起き上がり口を押さえた。 気持ち、悪い… 隣には気持ち良さそうに寝ている唯がいて起こさないように口を押さえたままそっとベッドを抜け出した。 寝室を出た俺はトイレに駆け込んだ。 「うぇぇっ」 気持ち悪い、フラフラして頭が痛い。 あんまりご飯は食べてないはずなのに吐き気は全然収まる気がしなくて苦しかった。 「は、ぁ…うぇっ」 「…玲緒？」 後ろから声がして振り返ってみると唯が眠そうな瞳をして立っていた。 そして状況を理解したらしく、心配そうに見つめて俺の背中をさすってくれた。 「っ、どうした、大丈夫か…？」 「うぇっ、…ひ、は、ぁ…きもち、わるっ、うぇぇっ」 「大丈夫だから……」 唯がずっと背中をさすってくれていたおかげもあってか、しばらくして吐き気は収まった。 体に力が入らなくて動けない俺を唯が運んでくれて、汚れた口元をタオルで拭いてくれた。 「起こし、ちゃって…ごめ、なさい」 「そんなことどうでもいいから……熱あるな」 俺が謝ると唯はそういって頬を撫でてくれて、額に手を当てると綺麗に整った顔を歪めた。 熱なんて久しぶりだなぁ、なんてぼんやり考えていると温かい唯の手が俺の顔に寄せられて、 その温かさが気持ちよくて俺はまた眠ってしまった。 今日は寝てばっかりだなぁ俺。