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第123話
「玲緒くん昨日吐いちゃったんだよね?…じゃあ今日は頑張って食べよう。何が食べたい?」
七海さんは昨日のこともほとんど把握しているようで、俺が吐いてしまったことも知っていた。
「…冷たいうどん」
「うーん、冷たいうどんよりあったかいうどんの方が体に良いから温かいのでもいい?」
「うん…唯が作ったの、食べたい」
そう言ったら七海さんは驚いたあとに柔らかく微笑んだ。
「…良かったね唯」
「うるさい」
唯はごはんの準備をしてくるって言って寝室を出ていってしまった。
残された七海さんと二人。
少し緊張したけど、七海さんはずっと微笑んで俺の頭を撫でてくれてた。
「ねえ玲緒くん」
「ん、なに?」
「もしかしてだけど…唯に監禁、とか…されてない?」
「えっ…なんで、」
これが監禁にあたる行為だということはなんとなく分かっていた。
だけど、俺が認めたら本当に監禁になっちゃう気がして…
「足枷と首輪、さっき見えちゃって。それに今日は平日でしょ?学校からそのまま泊まりに来たってこともありえるけど、泊まりに来たなら玲緒くんのかばんとかもあるはずなのに見当たらないもん」
玲緒の背中には冷や汗が流れた。
それは熱のせいなのか、七海の話を聞いてなのかは分からない。
「大丈夫だよ玲緒くん。話したくないことは話さなくていいから何がどうなってるのか、教えてくれない?」
そういって七海さんはニコリと微笑んだ。
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