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第125話 唯side
「唯、座れ」
玲緒が眠ったあと、七海にリビングの椅子に座るよう言われた。
心なしか少し怒っているように見える。
「なんだよ」
「玲緒くんのこと、さっき話聞かせてもらった。お前ほんと意味わかんねえよ、すげー腹立つ死ね」
七海にしては珍しい丁寧な言葉遣いではなく荒っぽい言葉遣い。
それを聞いて相当怒っていることが分かった。
「まず、玲緒くんの病名だけどただの熱じゃないぞ。心因性発熱…強いストレスからくる発熱だと思う…体には異常もなかった」
「……ストレス…」
「自分がやってること分かってんの?玲緒くんは優しいから言わないと思うけど、お前がやってることは最低だからな…あーもう腹立つなぁ」
分かってた。
だけどこうする以外にどうしたら良かった?
それが、俺にはわからなかった。
きっと頭の良い七海なら解決策なんてすぐに思いつくのだろう。
「…はあ、とりあえず玲緒くんが元気になったら2人で話をしろ。お前らには話し合いが足りてないんだよ」
「…悪い、七海」
「ったく、お前が謝らなきゃいけないのは俺じゃないだろ玲緒くんだ」
「そうだよな…」
学校のことで玲緒を泣かせてしまったばかりだし…それに加え熱を出していたのに気が付かなかった。
唯の心は罪悪感でいっぱいになっていた。
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