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第114話

恐る恐るもう一度顔を上げて見てみると唯は朝の優しい笑顔とは違って、すごくこわい顔をしてた。 こわいっていうか、…無表情。 「首輪だけじゃ足りなかったな」 しばらく何も話さなかった唯がやっと口を開いてそういった。 「…っ、な、なん…です、か」 いきなり抱き上げられて思わず唯の腕に抱きついてしまった。 そんな俺の問いかけに唯は答えないでリビングに歩いていった。 「い、いたいのやだ…っ」 何をされるか分からないけど、とりあえず痛いのは嫌だと必死に伝えた。 そしたら唯は俺の方をゆっくり見た。 「痛くされるようなことしなければいいだろ」 唯のその表情をみて喉がひゅって鳴った。 唯は今までで1番こわい顔をしていた。 いらいらしてるのか言葉…というか口調も棘を含んでいる気がする。 「ご、ごめっ、なさい…っ」 自然と瞳から涙が零れた。 軽い気持ちで部屋から出て学校へ行った。 その軽い行動でこんなにも唯を怒らせるとは思ってなくて、すごく後悔していた。

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