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第127話

「や、約束…?」 唯のその言葉に泣くのも忘れ、顔を上げた。 「あぁ…必ず、迎えに行くよ」 そういった唯はいつもより少しだけ不安そうな顔をしていて微笑んでいた。 「…待っててくれるか?」 「っ…待ってる…!ひぐっ、…けどっ、やっぱやだぁっ」 今度は別れるんじゃなくて、少しの間離れるだけ。 そう頭では分かってたんだけど心では受け止めきれなかった。 「玲緒、こっちみて」 ぽろぽろと零れてくる涙を唯に見られたくなくて下を向いている俺に唯が優しく声をかけてくれた。 「…な、でっ…ぅっ」 「これ分かるか?」 そういって唯の手にあったものは銀色がぴかぴかと輝くシンプルな2つの指輪だった。 「…ゆ、びわ?」 「あぁ、」 手を出してと言われてどっちの手か困っていると、そっと右手を包み込まれた。 右手を見ると薬指にさっきの指輪が存在を主張していた。 「急いで用意したから安物だけど…」 「ひぐっ、うぅっ…!」 「悪い…嫌だったか?」 心配そうに聞いてくる唯の問いかけに俺はぶんぶんと首を振った。 「う、…れしくって、ひっぐ、…すき、すきだよ唯っ」 「俺も好きだ」

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