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第131話

「唯ありがとう」 「…あぁ」 駅前で俺と唯はそんな他愛のない言葉を交わして、少しの間離れることになった。 しばらく会えなくなるから別れる前にセックスしたかったんだけど、唯が別れづらくなっちゃうから嫌だって言って出来なかった。 離れることに不安がないと言えば嘘になる。 だけどそんな俺を安心させてくれるものがあった。 右手の薬指にぴかぴかと光る銀色の指輪をみて頬を緩ませた。 この指輪が俺と唯を繋いでくれる。 なんで右手?左手じゃないの?って不思議に思って聞いてみたら、そういうのはちゃんとしたいからって言われて左手の薬指にキスを落とされた。 「でも、_____________。」 そして唯が言ってくれた言葉を思い出して俺はぽんっという効果音が付きそうなくらい頬を赤く染めた。 離れるのは嫌だけど幸せだ。 まだ少しズキズキと痛む耳にそっと手を伸ばした。 体中、唯でいっぱい! 好きだなぁ 別れたばかりだけど迎えに来てくれるのはいつだろう、なんて考えながら帰路を急いだ。 * 「でも、ここはもう俺の」

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