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第134話
「ヤクザの人とお付き合いをするって大変なことでしょ?それこそ命を狙われたり、危険に犯されたり」
唯のそばにいて危険な経験をした覚えはないのでしっくりこないけど、本当は危ない立場なのだと理解はしていた。
きっと俺の身が未だ安全なのは俺の知らないところで唯が守ってくれているおかげもあるんだろうなぁ
「玲緒が心配だったんだよ」
その言葉はもう何度も聞いた。
それは兄貴が唯と俺を引き離す言い訳だと思っていた。
「だから、2人を試してみたんだ」
俺なんかが試していいのか分からないけどね、と兄貴は苦笑いをした。
「その様子だと時間はかかったみたいだけど上手くやっていけそう?」
「うん…でも、話し合ってしばらく離れることにしたんだ」
「そっか、最初は本当に2人を引き離そうと思ってたんだよ」
そう言う兄貴の声はいつもの優しい声だったけど、目は真剣な目をしていた。
「良い意味でそんなに執着すると思わなかったし、それに唯さんも玲緒のために離れるとは予想外だったなぁ、…大事にされてるね玲緒。」
「…うん、」
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